糸目・・・

下絵写し も終わり、いよいよ 糸目 に入る。   ヤッパ “モノを創る” ってのは楽しい!

  今年の “吉祥寺・あーとらんだむ” 個展の
  新作帯の メイン として描いたのが
  ← この図案 (三連作) 

  三十三間堂をモチーフにした三連作
  先日の 釉美屋・京都展 で京都で直に
  観たばかりなので印象にも充分残ってる。

  まだ、仕事途中なんだけど、三本の帯で
  ← こんな感じに 三十三間堂になるという発想

  こちら側の感じだと 版画家の 木田安彦さんが
  すでに版画でやってるんだけど、オレはそれを知る前に
  “通し矢” をモチーフに 三十三間堂の裏側を 
  ’04に制作 してたので “じゃ、表側も” という事で・・・

前回の帯 (’04に制作) は、お太鼓柄にすると ただの幾何学模様にしか見えないんだけど
一本の帯として見た場合に 三十三間堂であり、着てる人だけが知ってる 究極のお洒落???

今回は、三人で帯を締めて (仲のよい友達でも、母娘三代でも・・・) 三人が順番に並んだら
“ひとつの画” になるという発想。  すでに画的には 木田安彦さんがやってるので
“どうしよっかなぁ~” と悩んだんだけど、そんな事を考えていたら 創らずには居られなくなった!

 → 
 ↑ 鼠糸目                           ↑ +金茶糸目
普通のゴムのりに、染料を混ぜたゴムのりで 糸目を引いて 糸目が白ではなく 色付き で上がる。
ただ 見た目の色では上がらず、彩色する色にも影響されるので 少々ギャンブル性が有るのが難点・・・
更に 染料を混ぜる際に使うオイルのせいか、糸目もボソボソになって引きづらい。

  ← 白糸目は イマイチわかりづらいネ

  おなかの方にも “あそび” があるんだけど
  それは “あーとらんだむ” が始まってからの
  お楽しみという事で しばらく ヒ・ミ・ツ!

  現在 糸目に奮闘中! (眼がショボショボ)
  如何なりますやら・・・
    

ここのところ 暖かくなったり、寒くなったり・・・  体調に気ぃつけてネ!        じゃ!



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2007年04月01日 Posted by 染師 麗 at 00:01三十三間堂・帯

地入れ

思った以上に手間取った 糸目 も終わり 揮発地入れ をして、今回は 地入れ かます。

  オレは 蝋仕事 の時とか、生地が 紬 の時とかは
  ほとんど地入れをしないんだけど、今回は 友禅 をするし、
  色ゴムのり を使ってるので、様子を見るため 地入れ をする。

  ただ、自分流のやり方で・・・


地入れ をするのは、染料が生地にユックリと染み ムラが出来ない様にするためにするんだけど、
今回使う生地は 紬 で、それほどムラの出来にくい生地なんだ。
ただ、友禅 をするのに 前もって 地入れ をしとくと 糸目の外に 染料が泣いてしまう (滲んでしまう) のが
かなり防げるので、ヤッパ地入れをしといた方が賢明かな。

  普通は染料の浸透させるのを遅くさせるのに 
  “ふのり” を溶かして、それを絞って使うのだけど、
  オレは市販の “泣き止め” 剤を
  水で薄めて使ってやってるんだ。


  今回は、それに “矢車” という染料を混ぜて
  ほんの少し生地を汚してやる位にして
  地入れをしたんだ。
  ← これ位の濃度。 見た目よりかは かなり淡い


  ← ほんの少し 生地が “生成り” になった位。
    (中央から左が地入れをした方)

  生地の白は、やや蛍光剤が入ってるのか、かなり白いので
  矢車で 生成り にしてやる位で 丁度イイ感じ・・・


準備はOK!   さて、いよいよ 友禅 に入る。       ガンバろっと!



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2007年04月01日 Posted by 染師 麗 at 00:02三十三間堂・帯

彩色・・・

  3月に入ったっていうのに雪が降ったりなんかして・・・

  いよいよ 友禅 (彩色) に入る。
  今回は細かいけど、同じトーンの2配色という感じなので
  糸目 に比べれば割と楽かな・・・

  寒い時期なので、下からヒーターで煽ってるのは暖かい。


  ← 先ずは、ベースとなる2配色を 刺し

  屋根・土台部分は 矢車・ヘマチン に 鉄媒染
  木造部分は 矢車 の無媒染

  刺し色 を 重ねていく ような時には
  ベースとなる染料の 刺し をする際に

  ← “泣き止め” を少々多めに入れて 刺し をしとくと
  次に 染重ねる染料 に あまり 泣き止め を混ぜなくても
  それ程 他の部分に滲んで行かないよ。


  染重ねていくような時は、そんな事をしとくと割りと仕事が速いよ。



  ← 彩色部分 を刺し終って、大体こんな感じ

  帯 三本分で ひとつの画になるので 画として観せるには
  三人で着なければならないので 売れづらいだろうなぁ・・・
  また、困った事始めちゃった・・・  (←因果な性分です)


  彩色 をする際に 下からヒーターを入れて
  熱を加えてやるんだけど、それはひとつは早く乾かして
  仕事を早く進めるという事が あるんだけど、もうひとつ
  染料 (水分) は乾く方に寄って行くので
  彩色した生地の 表裏 の差が少なくなるんだ。
  表裏にあまり差があると 生地の繊維の奥まで
  染料が染まってるって感じじゃ無いからね。

・・・そんなこんなで、日々仕事してます。  3月に入って寒い日が続きますが みんな元気でね!    じゃ!



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2007年04月01日 Posted by 染師 麗 at 00:03三十三間堂・帯