ドライヤー あぶり

“蝋” を使用した仕事では、蝋に熱を加えてやると 蝋が溶けて 少し変わった? 効果が出るんだ。

特に “白蝋” は融点が低く すぐ溶け始めるので、ドライヤーであぶってやると “ボ~ッ” とした感じになる。

  “白蝋おこし” でキッチリした感じではなく
  少しボヤ~ッっとした感じにしたい時などに
  ( 例えばこんな感じ & 応用? から )
  ドライヤーであぶってやる事は良くあるのだけど
  この時は軽く当ててやるといった感じだったけど
  今回のは  “これでもか!”
  というくらい たっぷり とドライヤーを当てて
  蝋を溶かしてやったんだ。

今迄は とても怖くて こんなにドライヤーを当てることは無かったんだけど、今回の仕事 で開発???

    じゃ、行くよ!


  刷毛で 白蝋をポチポチと置いていく ↓
  

  ドライヤーを当てて 蝋をあぶってやる ↓
  
“蝋のエッジ” が無くなるまで、たっぷりと あぶってやる。
今迄は ドライヤーを長い事当て 蝋を溶かしてると 蝋の濃淡が均一になってしまうと想っていたんだけど
今回 たっぷりとドライヤーを当ててみて、蝋の濃淡は残る事を発見?
写真で 蝋の濃淡が残ってるのが 分かるでしょ。  (もうこれ以上溶けないといった位溶かし込んでる)

  その後に 染めて ↓   (蘇芳で染めて、アルミで媒染)
  
蝋の薄い部分に 染料が染みて これだけでも薄っすらと 蝋を置いた 生地白 部分が “桜色” に。
これで、蝋取りをしても ボチボチと効果はあるんだけど 更に同じ工程をやって “深さ” を出してやる。

  更に蝋を置いてから →                  ドライヤーであぶって 蝋を溶かして
  

次は 鉄で媒染。  (ごめんなさい!写真撮り忘れました・・・)

ここまでで 蝋を置いた部分に 蘇芳 を アルミで媒染した部分、鉄で媒染した部分、
アルミ・鉄の混ざった部分 が混在して 色に深みが出る。
(写真が無いですが、下の地色を染めた写真の 桜部分から想像して下さい。 ゴメンナサイです)

  その後 最終的な 地色 を染めると・・・    (地色は反対色の方が効果的だと想いますが)
  
この時 地色は蝋の上に行かないように。  (地色が入り込んで 桜色が台無しになってしまう)

  最終的に 蒸し・水元・ドライを終えて ↓
  

近場で観ると かなり “眠ったい” という感じですが、遠眼で見ると なかなか面白い効果です。
まだ 今回の作品 で初めて試した技なので 完全に自分のモノにはなってませんが
試してみる価値は充分に あると想いますので、皆さんも如何?    健闘を祈ってます!

もし、“こんなんで面白く使えるよ” という柄行きとかあったら 是非 教えて下さい。



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2007年09月01日 Posted by 染師 麗 at 01:02ドライヤー あぶり