面倒を見る

オレはよく “面倒を見る” という表現を使いますが (特に白蝋での染みさせる仕事で) これが、イマイチ
良く理解されて無いようなので チョットだけ・・・


  “白蝋” を使った仕事で 染料を染みさせる
  “調子” や “起こし” 等の仕事の場合

  ← この様に 白蝋の上の染料が
  蝋にはじかれて 水滴となります。
  (特に蝋を置いて最初に染料を引いた時)

  写真で水滴の粒々が わかるでしょ。


  この粒々を そのまま放っておくと
  その粒々の感じが 蝋を落とした時に
  残ってしまいます。      ・・・ので、
  引き染 が終わってから 生地が “半乾き” に
  なるまで、2~5分置きに 蝋の上の染料を
  刷毛で 円を描くように 蝋に “摺り込む”
  といった感じです。 



  数回 繰り返してやると
  ← こんな感じに 白蝋の上の染料の粒が
  馴染みはじめます。
  (最初の写真と比べるとかなり馴染んでるでしょ)

  良くは分かりませんが、白蝋は柔らかいので
  刷毛の毛で蝋の表面に “沢山の傷” が出来て
  そこに染料が入り込むんじゃないかな???


  季節により 半乾き になるまでの時間は
  違いますが、大体 2~30分で 生地が
  落ち着いて、蝋の上の染料の粒々が
  ← ほとんど気にならなくなります。

  白蝋も 薄い部分は “傷んで来た” と
  いった感じになります。



こんな事が オレの言う “面倒を見る” という事です。    分かって貰えたかなぁ~???



    ・・・追記?

化学染料の場合は 地色を一回で染めてしまうと想いますが、天然染料の場合 染(染料)、媒染と最低2回は
染めなくてはならないので、染める回数が増えてくると 更に蝋は傷んで来て 今度は 蝋の傷んだ部分の
“染料の被り過ぎ” に注意して下さい。      まぁ、イロイロ経験して下さい。    健闘を祈る!



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2007年05月01日 Posted by 染師 麗 at 00:07その他

着物図案 ラフ前?

これはもうホントに 老婆心? 以外の何者でもないのですが・・・

ブログで知り合った 素人さん? が、ですけど、いきなり 雛形図案用紙 に “ラフ” というよりも前の
“あたり” とでもいうような感じのを描いていたもので・・・


  オレは図案の雛形を描く時は (本チャン)
  ← クロッキー紙に 実寸と同縮尺の 型紙?
  を写して 雛形を描いてます。

  コピーして それに描けば 型紙 を写す手間が
  省けるのですが、色を付けた時の感じがイマイチ
  ピンと来ないので 毎回 型紙を写してます。
  (本チャンへと入る準備運動でもあるのですが)


  しかし、上の “本番雛形” へ入るまでには
  広告の裏とか、コピー用紙の裏とかに
  ← フリーハンドで簡単な 雛形を描いて
  それに大雑把な ”あたり” を入れます。
  (5秒位で簡単に描けます)

  コピーが安くなったとはいえ あたり は
  これで 充分間に合います。


  もともとは捨ててしまう紙・・・
  惜しくも無く、気の済むまで描きまくれます。

  それで、感じがつかめたら徐々に “かたち”
  を詰めて行って、いよいよ本チャンに入ります。

  今回はホントに 老婆心ですが “エッ???”
  と想ったもので・・・


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2007年05月01日 Posted by 染師 麗 at 00:06その他

小張の裏技?

人に教えて上げると 多くの方が “ヘェ~・・・” と感心されるので、チョット御披露。

“友禅伸子” とは別に 生地を弛まない様に張る伸子を オレ達 (ウチの系列だけ???) は
“小張(こばり)” と呼びますが、それにもイロイロな種類がありまして・・・


 ↑ 上から 帯・着物等を染める 普通の小張2種、 暖簾などの広幅 を染める小張、
   風呂敷の様な大きなサイズの広幅 を染める小張2種
   (ちなみに 短 40cm、 広幅 56cm、 長 105cm)

もっと多くの種類の 小張が販売されてますが、全部を揃えるのは 金銭的にも場所的にも大変。
そこで “貧乏染師” は考え出しました!    (まぁ誰でも考え付くと思いますが・・・)


  ← 欲しいサイズの小張に 近いサイズの
  小張2本を用意して・・・



  ← セロテープを巻き付けます。

  最低でも 3ヶ所 は巻き付ける部分が欲しいです。
  (3回位は巻き付けといた方が、シッカリします)



  ← こんな感じで使用します。



この方法を教えて上げると 皆一様に感心してくれるので、教え甲斐があります。

少ない材料でも 工夫次第で多くの使い方ができます。  (←自慢したりして・・・)

更に良い事には、“張り加減のテンション” の調整が出来るのです。
“厚い生地” で 少しきつめに張りたい時には 長めに組み合わせ、
“薄い生地” で あまり強く張りたくない時には 短めにすると 張り具合を調節できます。

なかなか便利な方法なので、知らない方が居たら 教えてあげて下さい。     チャンチャン!



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2007年05月01日 Posted by 染師 麗 at 00:05その他