ふのりボカシ・・・?

さて今回は・・・

一応 オレ自身で考えた技法なんだけど、こんなのは容易に思いつくので やってる人はイッパイ居ると思う。
始めた最初の頃に “ふのり” を使ってやってたので  ふのりボカシ  と命名?

要は、染料に “止め” を入れてやって、染料の染みる速度を落として “ボカシ足の短い” ボカシをやるんだ。

ふのりボカシ・・・?  オレは “泣き止め” に レベリンE というやつを使っている。
  以前は、ふのりを使っていたんだけど 夏場はすぐに腐って
  シャブシャブになってしまうので 市販のなき止めにしたんだ。

  泣き止め にも数種類あるんだけど、オレは このレベリンが
  使い易い。  (イロイロ試してチョ)

こいつを “ボカシのモト” となる染料と、良く混ぜる。  ダマ?にならないように よーく混ぜてね。

ふのりボカシ・・・? → ふのりボカシ・・・?
感じとしては↑写真のように両方を一遍に混ぜるのではなく
泣き止め に 染料 を少し入れては混ぜ、また少し入れて混ぜ、また・・・といった感じの方が良く混ざるよ。

泣き止め の “重さ” (粘度) は、そのボカシの足の長さによって調節する。
(これは、試し染をして自分で決めるしかないので、億劫がらずに試してね)

ふのりボカシ・・・?  始める前に シュミレーション。

  どこで どんな感じ でボカスか 良~く考えて。
  
  染料も間違えないように、それぞれの場所に用意。

      ・・・さて、気合が入ったらはじめるよ!





ふのりボカシ・・・?  ←この写真の場合直線でボカシ。
  勿論 曲線・いろんな形にできるよ。

  ボカシの部分は絵を描くような感じで。
  地色側は、徐々にボカス。
  “止め” が入ってるとはいえ 徐々に染みるので
  テキパキと仕事をこなす。


ふのりボカシ・・・?  地色側は “止め” の入ってない染料で染める。

  “止め” の入ってる・入ってない部分の境が
  付いてしまう事が有るので、全体を染終えてから
  最後に、そこの部分の面倒を見る。

  先ずは、全体を染め上げる。


ふのりボカシ・・・?  もう片側は “止め” が入って無くてもOK。
  ただ、染料の量が多いと 先に染めた方へ
  後からの染料が押してくので、
  良く切った刷毛で染め始める。
  ボカシくちを逢わせるという感じ。

   (一人で三脚&タイマーで撮ってるので
    手元が写ってないけど、ゴメンして)

ふのりボカシ・・・?  細かい事は後に回して
  先ずは、全体を染め上げる。

  注意する事は、先にも書いた
  “止め” の入ってる・入ってない部分の境を
  刷毛で良く馴染ませてやる。
  それと、ボカス両側の染料の量を
  同じになる様に気を付けて。

ボカス部分は “染め逢わせる” という感じ。
止め の入った染料部分が上手くできれば、後は何とかなるよ。
先ず、ボカス部分を全体的に一度染料で描くように染めて、後から肉付けする様な感じで。
(この間、地色側になる方は空ボカシをするように)

ふのりボカシ・・・?  ←染を終えて

  “ふのりボカシ” の部分はわかると思うけど

  その他にも

  上部の赤茶地部分に 足の少し長い ボカシ。
  下部のグリーン地部分に 
  垂らし込み&濡れてる間に濃い色のボカシ。


ふのりボカシ・・・?  化学染料なら上までの工程で終了なんだけど
  オレは天然染料を使ってるので この後 鉄媒染。

  ちなみに赤茶地部分は ヘマチンに蘇芳を混ぜた染料。
  グリーン地部分は 青味が欲しかったので
  渋木に化学染料のブルーを加えた染料。

  鉄媒染時は “引き切り”



ふのりボカシ・・・?  ← “ふのりボカシ” 部分の拡大
  “ボカシ”というには足が短いし、“素描”とはまた違う
  ナンカ変わった効果でしょ。

  考えれば、イロイロ応用できるよ。



   ・・・応用編・・・


ふのりボカシ・・・?  その1
  ←こいつは “ふのりボカシ” のみでの仕事。
  一度全体を 生成地 に染める。
  黄色の染料に ふのり (止め) を入れる。
  その、止めの入った黄の染料で堰きだすようにして
  グリーンの部分をボカシながら染める。
  生成地の部分も 水 でボカシとく。
  仕事の説明だけなら こんな感じで簡単なんだけど
  仕事に掛かったら 最後まで休めるとこが無いヨ。


ふのりボカシ・・・?  その2
  ←こいつも “ふのりボカシ” のみ。
  上の着物が “堰出し” っぽい仕事なら
  こいつは “友禅” っぽい仕事。
  黄色の線部分の染料にのみ 止め を入れ
  そこを 友禅の糸目に見立て 刺しをしていく。
  糸目を引きながら 刺しを同時にやる といった感じ。
  (だから同じ円周上でも違う太さの部分があるでしょ)
  こいつは見た目より “手間・根気・集中力” が要る。
     (その割には地味な感じ?)


どの仕事(技術)でもそうなんだけど、考えれば マダマダ工夫の余地はあると思う。        じゃ!



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2007年07月05日 Posted by染師 麗 at 00:02 │ボカシ染


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