撒き蝋 (大粒対策)

“撒き蝋” は、イロイロな効果を創るのに とても便利な仕事なんだけど 時によって・・・

撒き蝋 (大粒対策)
  ← 写真中央のような 大きな蝋の粒 が飛んで
     しまう事がありますよねぇ。

  こういった 大きな蝋の粒 は染め上がった後に
  ケッコー目立ってしまいますね。


オレも師匠の下で修業をしている頃から どうしたらこの大きな粒を飛ばさない様に出来るのだろう???と
悩んでいたんだけど、とりあえず今の所 最善の策? と思われるものを記してみます。

大きな蝋の粒が飛んでしまうという事で イロイロと考えられる問題点ですが、
蝋の温度・筆に含ませる蝋の量・筆をヒットさせる時の角度・等 いろんな事が考えられますが
オレが今まで試行錯誤を重ねて来て、現在やっている方法を先ず・・・


撒き蝋 (大粒対策)
  蝋を撒く筆 ですが、ヒットさせた時に
  筆が ぶれない様に
  ← かなり抱え込む様に持ってます





撒き蝋 (大粒対策)  蝋を撒く筆を ヒット する場所ですが
  ← 筆の先の方でヒットさせた方が
  大きな粒が飛ぶ確立が少ない様です

  ストロークも短く、弧を描く様ではなく
  直線的にヒットさせます
  (軽めに、デリケートに)




次に 筆をヒットさせる角度ですが・・・
×                             
撒き蝋 (大粒対策)  撒き蝋 (大粒対策)
ヒットさせた時に横から見て 写真左の様に 筆が上向きだと大きな粒が飛ぶ確立が多いようです。
写真右の様に 筆先がやや下を向いてると 筆の穂先から筆の軸に蝋が垂れて(廻って)来る事が無く
好い結果を期待できるようです。
(オレが考えるには 筆の穂先は蝋を含んで溜めておく事が出来るけど、軸の部分は蝋を含まず
溜まった蝋が思わぬ粒となって飛んでしまってるのではないかと思うんですヨ)


また、筆ですが・・・
撒き蝋 (大粒対策)  撒き蝋 (大粒対策)
筆は使って行くうちに段々とクセが付いてくるので 撒き蝋に使う筆は 撒き蝋筆と決めてしまい
平たく潰して、刷毛のようにして使います。 (刷毛や筆を何本か纏めて行ってる方も居るようです)


・・・と、まぁこんな感じで その他 蝋の温度・筆の含み等イロイロと変えてやってみたのですが
その時々に置いて 調子が好かったり・悪かったりで大きな蝋の粒が飛んでしまってました。

しかし今回 チョットした発見があったので、参考になればと・・・

蝋を筆に含ませ、撒く場所まで筆を持って行き
撒き始める前にほんの少し間を置く(0.5秒位?) という事で
かなり好い結果が得られました。

今まで筆を蝋を撒く位置まで持って行き すぐに蝋を撒き始めていましたが ほんの僅か “間” を置く事で
かなり好い結果が出たです。  オレもかなりビックリしてます。
(オレが思うには筆に蝋が均一に馴染むのではないかと思うのですが・・・)
まだ発見したばかりで 試行回数的にも少ないですので “これぞ奥義だ!” とは言い切れませんが
大きな蝋の粒に悩んでいる方が居たら 試してみる価値はあると思います。

・・・追記

撒き蝋 (大粒対策)  また、少々の発見?がありましたので・・・

  ← のように “筆先の蝋” を切ってやるのも
  効果があるようです。
  蝋を 撒き に行く前に もう一度 筆先の蝋だけ
  軽く切ってやるといった感じです。
  イロイロと試してみて下さい!



もし、撒き蝋を得意とされる方で “こうやった方がもっと上手く行くジェ!” という方が居らっしゃったら
是非教えて下さい。   リンクさせてもらうなり、ブログに反映させますので。

          ヨロシクお願い致します。



さて、オレの技術ブログを観てくれてる方の中には 初心者の方もいらっしゃるので老婆心ながら・・・

撒き蝋 (大粒対策)
  ← これから撒き蝋を始める・・・







撒き蝋 (大粒対策)
  ← 初心者の方は これ位で掛色を
  掛けてしまう事がありますが
  マダマダ・・・





撒き蝋 (大粒対策)
  ← 大分 地の部分が潰れて来ましたが
  もう少し頑張って!






撒き蝋 (大粒対策)
  ← 蝋を撒いても 蝋が飛んでいるのか
  良く観ないとわからない という位になったら
  やっと出来上がってから観て耐えられる位の
  仕事となります。
  これより少ないと出来上がりが なんとなく
  “ショボイなぁ・・・” と思えてしまいます。


撒き蝋 (大粒対策)
  ← 上写真の拡大

  撒き蝋はケッコー根気の要る仕事です。
  でも やっただけの効果は期待できるので
  是非 挑戦してみて下さい!




撒き蝋 (大粒対策)
  今回の地色部分は 渋木×クロム で
  金茶になるのですが、そこに撒き蝋して
  やや薄めの鉄で さらに媒染して
  金砂子地の様にします。

  ← 鉄で媒染した表側


撒き蝋 (大粒対策)  上写真の表側では
  蝋が無くて鉄で媒染されてる部分
  蝋が薄く鉄が被ってる部分
  蝋が重なって良く防染してる部分と
  奥行きがありますが、
  ← 同じ部分の裏側は
  染まってる部分・防染されてる部分だけで
  平面的ですね。


皆さんもイロイロと挑戦して 素敵な作品を創って下さい。       健闘を祈る!



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2007年09月01日 Posted by染師 麗 at 01:05 │撒き蝋


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