彩色 (細かい事)

“染” をある程度やってる方には、すでにご存知の方々も多いと思いますが・・・   老婆心ながら・・・

“彩色” をしていく時に、場面の大小を問わず 柄の端から仕事をはじめ、
順繰りに彩色をするというのは すでに分かっている事と思いますが、

彩色 (細かい事)
  彩色途中の 筆(刷毛)跡も
  ← こんな感じで “パキッ” と
  終らせてしまうのでは無く





彩色 (細かい事)  出来る限り
  ← こんな感じで 筆(刷毛)跡を
  ボカシてやった方が安全です。
  (キワズキといって刷毛跡が後々にわかる)

  (特に 塩瀬 のように平らな生地や薄い生地・
   彩色の染料に入れる止めが少ない場合・・・)





また、柄が込み入って 数箇所同時に柄の彩色をしなければならないような場合も

彩色 (細かい事)
  ← 最初に彩色してきた部分をボカシながら






彩色 (細かい事)
  ← 次の部分の彩色を始める






彩色 (細かい事)
  ← 次の彩色をしている時も
  前の部分のボカシ口が渇かないように
  時々 面倒を観てやる




彩色 (細かい事)
  次の 彩色部分と 前の ボカシ口を
  できるだけ早く 結合させるように・・・





彩色 (細かい事)
  ← ここまで来てしまえば一安心

  残りの部分を慎重に彩色して下さい





彩色 (細かい事)  ← “彩色” 終了後

  すでに 始めの部分が 乾いているのが
  画面で わかるでしょ

  彩色の途中で乾いてしまうと その部分が
  “ムラ” になってしまい 上がりが
  大変見苦しくなってしまいます

上で説明した順番でなくても 勿論可能です。
最初に彩色してきた部分から 次に太い幹のほうへ彩色部分を進めても 彩色部分は広がりますが
作業の細かさが無い為 彩色が早く進み その後に次の 枝部分に彩色を進めるといった風に
U字型に戻ってくるという作業方法も 充分考えられますね。

先ず、作業を始める前に頭の中で “一度シュミレーション” をして それから始めるようにして下さい。
オレもセッカチなもので、時々 “冷や汗がタラ~リ・・・” という事があります。
皆さんも ユックリとした気持ちで 良い作品制作に励んで下さい。



最後に もうひとつ・・・

“彩色” する時は 細かい部分の他は 出来るだけ 筆 よりも “彩色刷毛” でやる癖をつけた方が
後々 楽になると思います。  (後から彩色した部分(未乾燥)を均したりするのに便利です)

刷毛も場面に合った大きさの刷毛を使い分けると良いでしょう。
その場合 数本の刷毛を使ったりしますが 例えば小さい刷毛から大きい刷毛に交換するような時・・

彩色 (細かい事)
  ← 現在 小さい刷毛で彩色中

  大きい刷毛は 中指と薬指の間





彩色 (細かい事)
  親指と人差し指の間に 
  大小の刷毛を挟んだまま
  大きい刷毛から中指を抜き





彩色 (細かい事)
  その中指を大きい刷毛の上から
  外側に回しこんで






彩色 (細かい事)
  大小の刷毛が V字型になってる
  間に入れます
  その時に 小さい刷毛の先端が
  中指と薬指の間に滑り込むように




彩色 (細かい事)
  “くるり” と大小の刷毛を
  回転させてやると
  大小の刷毛の持ち替え完了!

  3本の刷毛でやる場合もう一本は
  薬指と小指の間。


上記 説明が下手くそで 分かりにくいかとも思いますが 自分でやってみると 案外と簡単です。
この技は、広さの違う部分が混在する彩色や 2種類の色をボカシたりする時など イロイロと役に立ちます。
また、刷毛2本ではなく 刷毛と筆 といった使い方も出来るので マスター?しとくと便利だと思います。


では、作品制作に励んで下さい!         健闘を祈る!           じゃ!



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 彩色 (2007-08-01 01:00)

2007年08月01日 Posted by染師 麗 at 01:01 │彩色


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