ボカシ染

染師 麗

2007年07月05日 00:01

今回は、地色を途中から変える  ボカシ染  について

地色を 濃淡でぼかしたり、同系色の色でぼかしたり する時に使う技術なんだけど
 (色の系統が反対の時は、途中にクッションになるような色を入れたほうがいいと思う)

先ずは、ボカシをする二色の色を作って “頭の中” で工程の シュミレーション
作業を始めたら、一気に突き進まなければ なんないからね。
 (初めてボカシをやる人は、色の 濃淡 からやるのが無難だと思うよ)

・・・では、いくジェ!

  先ず、ボカシをする部分を中心に
  霧を吹く  (勿論 水 です)

  この時 出来るだけ 細かい霧 にする

  一点だけにならないように
  動かしながら


  濡れてる部分 と 濡れてない部分 が
  出来るだけ なだらか なるように

  霧の吹き始めは 生地の外側から
  霧が安定したら ボカシのあたりへ
  吹き終わりも 生地の外で終わるように



大袈裟に言えば、ここまで上手く行ったら 半分終わったようなもの。
この段階は 試しの生地で何回でも練習が出来るから いっぱい練習して!

  先ずは
  淡い色 の方から 染め始める

  ボカシの近辺に来たら
  もう、刷毛に染料は浸けないで
  刷毛の染料の “含み” を少なくする



  ボカシの合口部分よりも
  濃い色側までボカシていく

  この時 刷毛に染料の含みが多いと
  なだらかに薄くなっていかないので
  ボカス部分の手前で 充分に刷毛の含みを
  少なくしておく様にね。


  次に 濃い色を染め始めるんだけど
  これも始める前に、充分に刷毛に染料を
  馴染ませてやって
  できるだけ染料を切って
  刷毛の含みを少なくしておくんだ。

  ボカシの合口くらいから
  “ふわっ” と染め始める

  そして、濃い色を染めきってしまう。
  ボカシ部分は軽く整えるだけにして
  先ずは、全体を染めきる。

  色の 薄い染料 と 濃い染料 の
  水分量を大体同じくらいにしとかないと
  多いほうの染料が押してくるからね。


  全体を一応 染め終えたら
  先ず、ボカシ部分のあたりを
  薄い色の染料を少し補ってやって
  濃い色が押して来ないようにしてやる。
  それから、濃い色で ボカシ部分を
  整えてやるんだ。
  ネチネチとボカシ部分ばかりやってると
  地の部分が乾き始めてしまうから注意!
  
  裏刷毛 する時も 薄い色から
  薄い色の刷毛を 濃い色のほうまで
  持ってってやってから
  濃い色の刷毛でボカシ部分を整える

  そして、また表に返して
  地色の部分を 返し刷毛 しながら
  半乾きになるまでボカシ部分の様子を見る

半乾き になる前なら、ボカシ部分の濃い色のほうなら 薄い色のほうへ押してく事も出来るよ。
濃い色の染料を刷毛に少し浸けて、薄い色のほうへ染めてくんだ。  なんとなく感じはわかるよね。
この時、ボカシ部分だけしかやらないと 地色全体より そこの部分が濃くなってしまうから
全体的にやってやらないとダメだよ。
薄い色を濃い色のほうへ押してくのはキビシーけども・・・

こうして、ある程度乾くまで様子を見ながら・・・  (生地が傾いたりしないようにも気をつけて・・・)

  ←乾いたらこんな感じ
   (今までの写真とは向きが逆ですが・・・)
  こんな感じでボカシ部分が長いやつを
  “ボカシの足が長い” というんだ。
  ぼかした色同士がハッキリする様なのを
  “足が短い”といって 濃い色の染料の加減で
  調節するんだ。


引き染を “専門” としてやってる方達は、もっといろんな技術があると思うけど (モチロンだよね)
これくらい出来れば、作品を創るには充分だと思うよ。

  引き染も勿論だけど
  ボカシは、いったん始めてしまったら
  途中で考えたり出来ずに 一気に染めきってしまわなければ
  上手く行かないので、始める前に頭の中で
  充分に シュミレーション してから始めてね。

  それと、ぼかす二色の水分量が同じになるように注意!
  生地の傾きにも注意して 半乾きになるまで 気を抜かないように    



失敗 も自分の重要な “持ち札” になるので、恐れないでチャレンジしてね!      じゃ!



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