Someday Never Comes

先ず、始めに・・・

もうひとつのブログ 岩転狂仙人  染師 麗 は、いろんな人に “染” を知ってもらいたくて始めたんだけど
こちらのブログは “自分でも 染 をやっているけど、他のヤツはどんな風にやってんだろ?”って時に
オレの技術 で参考になればと思って始めたんだ。
だから、一般の染の本にあるような 参考書的ではなく 現場でやってることなので
良く言えば 実践的、悪く言えば 偏った技術 って感じかな・・・。

そして ここではもちろん、オレのわかる範囲!  (オレの師匠系列の染技法、他) 

先染め(糸を染める)、絞り染、型染 なんかは、遊び程度しかやったことが無いので
とても人には教えらんない。  ゴメンして!

これから 説明?解説?していこうと思ってるのは
ローケツ染・友禅染・引き染・天然染料・・・        そんな感じかなぁ・・・



それと もしできれば、もう一つのブログの 染って・・・ ・ 危機感 を一読してもらえっとありがたいです。

オレの仕事の大雑把な工程は 
ひまわりさんの風呂敷 ・ 福寿の袱紗 ・ 訪問着 “空へ” ・ 三十三間堂の帯 ・ 暗中模索 Ash-ra 
等で大体の感じがわかると思うヨ。   良かったら観てね!



なんか質問とか意見とかあったら サイドバーのメッセージからお願いします。
なるべく早く返信するようにしますが、一人で制作から営業、はたまた時にバイトもこなしているので
遅くなるかもしれませんが、必ず返信しますのでヨロシク!
それとはまた別に “オレはこうやってんだけど、こっちのやり方のほうがいいんじゃねぇの?” といったような
意見とか、違うやり方 等あったら是非教えてください。 教えてもらった事ブログ内で反映させたいと思うんで・・・  


同業者の欄に掲載してる人達は、オレが修行中 親交があって現在まだ頑張ってる連中です。
(この仕事を やめてしまった連中が多い中 頑張ってます)   参考に見てみて下さい。
オレの師匠はホームページもブログもやってないので残念ながら載ってません・・・




  Have a fun!                      じゃ!



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2007年11月01日 Posted by 染師 麗 at 00:00始めに

準備 & 後処理

準備といっても・・・

それぞれの項目で、それぞれの準備?がありますが
一般作業としては、部分・部分でやることが多いと思うんだ。

蝋置き・彩色などでは 友禅伸子 と呼ばれる太目の竹で ↓柄の部分を仕事し易いように張るんだ。

 

残りの部分は出来るだけ巻き込んで、洗濯バサミなどで止めてやると シミ などを付ける可能性が
低くなると思うよ。  (これって簡単な事なんだけど、ケッコー大事!)



次に、化学染料とか天然染料でもクロム媒染のものなどは 蒸し をしないとチャンとした発色が得られないので
端布で試した色を 仮蒸し した方がいいと思うよ。
化学染料なんかは、色を殺してやっても (反対色を混ぜて色味を落とす事) 蒸しで結構発色するので・・・



オレは↑こんなオモチャみたいなヤツで仮蒸ししてるけど、5分位やってやれば そこそこの発色するよ。




染の工程が終わったら、友禅オンリーならそのまま 蒸しへ・・・
ローケツの場合は、蒸し の前に 蝋取り をやるんだ。
アイロンを使って、ワラ半紙に蝋を溶かして吸い取らせるんだ。



古新聞でもいいんだけど、下手をすると新聞のインクが付く時があるので
淡い地色の時は、安全を期してワラ半紙でやったほうがいいと思う。


次に、染料を 発色・定着 させる為に 蒸し をやるんだ。
オレは簡易蒸し器でやっつけてるんだけど (師匠のとこに居る時から)
柄と地が重なるところに不織布という薄いフェルトみたいなやつを挟んでやって
周りを大きな不織布で包んで蒸し器へ。

  

火力が弱いと、蒸気になりきらず 蒸しダレ という難が出てしまうので (特に冬場)
料理屋さんで使うような 2連のコンロ↓がいいと思うよ。



大体 30~50分位蒸せばいいと思う。 
着物とかのような 長いヤツは 内側と外側 を逆に巻き直して 再度蒸してやるとカ・ン・ペ・キ!


そして、ゴム糊や蝋を落とすのにドライクリーニング。
オレのオヤジの家業が ドライクリーニング屋なので オレは自分でドライをやります。  (関連記事)

(地染め・蒸し・ドライ・水元・湯のし等をやってくれるとこもあるんだ。 そのうち捜してアップしときます)

オレは 蒸し と ドライ の間に一度 水元 をするんだけど
最後に、余分な染料・地入れで使った糊分を落としたり、生地を元に戻す為 水元 をやるんだ。
オレは大きめのケースの中で、水をどんどん代えながら 順繰りに生地を送ってやってるよ。



柄の所の色が地色より濃いときは、地色にその色が打ち合わない様に気をつけてね。



水元をする生地が沢山あるときは、薄い地色のからやってくといいよ。 ←そんなのわかるよね・・・
ヘマチンとか蘇芳の染料は水元の時はボチボチと色が出るよ。
それを↑屏風だたみにして、打ち合いの心配が無ければ脱水機で絞り
もし心配ならそのまま 張り手 に張って雑巾で水気を取って 乾燥させる。



最後の最後に 湯のし
伸子とかで歪になった生地を 蒸気をかけて元の幅にしてやるんだ。
着物とか、縮緬のような生地のヤツは湯のし屋さんに出した方がいいと思うけど
紬の様な生地とか、小品だったらアイロンでもなんとかなると思うよ。
  “手熨し” の記事もどうぞ!

  大体こんな感じかな・・・                           

今わかる 引き染・蒸し・水元・ドライ・湯のし等の加工をやってくれる所で オレがわかるのは

総合繊維加工 さいとう   Tel 0492-46-5577
                 川越市 大塚新田 7-6   (ホームページは無いみたい?)


それと 新宿区の 中井 落合 高田馬場 辺りはそういった仕事をしてるとこが多いので
電話帳とかで探せば見つかるかもしれない。
また、わかった都度 アップしときます。 (ただオレは殆ど外注に出さないのであまり期待しないで・・・)

それともう一軒わかりました。 (鷹取さんより)   東京近郊では この二件だけのようです。

サンワ   〒350-0835  川越市 石田本郷 579   (ここもHPは無い様子)
        Tel 0492-23-2048



一般の方だったら、自分で出来る事は 自分でやってみるのも楽しいよ!          じゃ!



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2007年10月10日 Posted by 染師 麗 at 00:00準備

図案

ホントは、図案が一番肝心なとこなんだけど・・・




図案がシッカリできてれば、半分以上終わったようなもんだ。
でも、このブログでは技術的な事をやってくので、図案については それぞれで・・・
染をやってく皆さんは、キッチリ図案描いてネ!

先ずはラフを描いて段々詰めて行って “ひな型” と呼ばれるミニ図案を・・・



左が ひな型      オレは一緒にスタイル画も描いてみるんだ。
今は模様師さんでも スタイル画 描く人居るんじゃねぇかなぁ・・・   (居て欲しい・・・)
できるだけ色もつけて、上がりの様子をイメージするといい。

それから、実物大の本図案へ・・・





  ↑これは着物の出来上がりと同じ原寸大の図案 (上の写真の左側の部分)
    赤い線は、着物の縫い目になる部分 
オレらのやってるのは “仕入れ” といって、万人向けなので大きめのサイズになってるんだ。
(それに対して特定の個人用に作るのを “誂え”)

着物の場合、白生地を仮縫いして それに直接下絵をつけてく模様師さんも居るようなんだけど
オレの師匠の系列は、図案を描いて それを写すという方法でやってるんだ。
オレは馴染んでるというのもあるんだけど、そちらの方がいいと思うんでその方法でやってるんだ。
勿論、着物に限らず 帯 でも タペストリー でも 暖簾 でも・・・

ちなみに上がった着物は↓こんな感じ。



今回は、技術的なものでは無かったけど “こんな事もやってるよ” って感じで・・・     じゃ!



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2007年10月09日 Posted by 染師 麗 at 00:00図案